2020/06/04 17:20


9つ目のブランドは shota miyashita (ショウタ ミヤシタ) 。


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彼の作る陶器は、日々重ねられる研究への意欲の賜物といえるでしょう。
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その特徴は"釉薬"という、鉱物等を細かくして造った塗料にあります。
陶器を作る際にはこの釉薬が欠かせません。
土への水分の侵入を断ち、破損を防ぐととまに、
形状とは異なるアプローチの個性を発揮します。
釉薬によって、見た目も質感も大きく変わってくるのです。
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宮下さんという人物を例える言葉があるとするならば、
"旅人"とか"さすらいの研究者"でしょうか。
「形から入らなきゃね!」と、熟練の職人さながらに、
長く蓄えた髭や、作務衣を着た風貌も、それに一役買っていますが。笑
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釉薬の難しいところ、それはただ鉱物を細かく砕けばその通りの色に、質感になるわけでもないことです。
鉱物に含まれる様々な元素同士の化学反応や、
高音の窯で焼き上げられる際の熱の影響。
何度も繰り返し試行錯誤することで、はじめてその質感を手にするのです。
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話を聞けば聞くほど、
彼が「陶芸は科学だよ」と言うのがどんどん伝わってきます。


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彼がそんなに細かい配合にこだわるのは、
もしかしたら自身のこれまでの人生が大きく関わっているのではないかと私は思っています。
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私が初めて彼に会った時、(私もまだ看護師をしていたかどうかくらいの頃です)
彼は表参道で美容師をしていました。
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その後、しばらく時が空いて久しぶりに会った時には
「ここで働いてるから、よかったら今度食べにきてよ!」と、話してくれ、
その時には美容師ではなく、とある地中海料理店でサービスマンをしていたのでした。
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それから約2年ほど?の時が経ち、
彼の働くレストランに食事をしにいったときのこと、
「今月いっぱいでここ辞めるんだよね」と彼は言いました。
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「俺、陶芸家になるわ」と。
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側から見れば、コロコロと職を変える、
長く仕事の続かない若者にも映るかもしれません。
ただ、私はそうは思いません。
きっと彼には、やりたいこと、見たい世界が山のようにあるんじゃないかと。
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そして渡り歩いた職場の経験も、
彼が現在、生み出している作品たちにもしっかりと宿っている気がします。
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美容師として、お客様が輝くためのお手伝いをし、
レストランのサービスマンとして、より料理を楽しめるような言葉選びや食器の配置、世界観を構築する。
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彼の作る陶器は、奇抜なアートピースのように見えて、
実は私たちの生活にしっかりと寄り添ってくれているように感じます。
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これからも、たくさんの人々の
リビングや食卓を、より豊かなものにしていってくれると
そう確信しています。


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acelioでは、online store での取り扱いは現在ありませんが、
ブランドの公式オンラインストアで作品をご覧いただけます。
催事等では今後も主にマグカップや一輪挿しをご覧いただけるかと思いますので
機会がございましたらぜひお手に取ってみてください。
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また、彼自身も全国各地で"ストリート個展"と題し、
実際にお客様とお話をしながら、時にはお酒を交えて楽しい場所をつくっています。
こちらも併せて、ご都合がよろしければお立ち寄り下さい。


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